ビジネスの場でたまに耳にするランチェスター戦略について、
よく理解していなかったので、わかりやすかった本を紹介します。
ランチェスター戦略って何?
簡単に言うとやみくもに戦うのではなく、科学的な方法で勝ち続けるための戦略。
もともとは戦争で勝つための戦略で、
イギリスで生まれ、アメリカで体系化されて日本で完成したもの。
それをビジネスの「営業」「経営」「マーケティング」「販売促進」場に応用している。
運任せや根性論ではなく、戦略的に戦うのがランチェスター戦略!
ランチェスター戦略の法則 弱者の法則、強者の法則
ランチェスター戦略は二つの法則から成り立っています。
ランチェスター第一法則(一騎打ちの法則)
一度に一人を相手にする戦いの場合を前提としてる
A-a=E(B-b)
A:敵国の戦闘前兵士数
a:敵国の戦闘後兵士数
B:自国の戦闘前兵士数
b:自国の戦闘後兵士数
E:自国の武器性能/敵国の武器性能
武器性能が同じなら単純に人数が多いほうが多い分だけ残って勝つことになります。
2000-a=1(1500-0) a=500
敵国の兵士減:1500 残り500
自国の兵士減:1500
例えば…
自国1500人敵国2000人で勝つには?
2000-0=E(1500-1)として
E=2000/1499=1.33以上武器性能差があれば
1人生き残って敵国に勝てるという計算になります。
ランチェスター第二法則
一人で多数の敵を攻撃し合う集団的かつ近代的戦闘「確率戦」
A^2-a^2=E(B^2-b^2)
A:敵国の戦闘前兵士数
a:敵国の戦闘後兵士数
B:自国の戦闘前兵士数
b:自国の戦闘後兵士数
E:自国の武器性能/敵国の武器性能
武器性能が同じなら人数が多いほうが圧倒的に有利になります。
2000^2-a^2=1(1500^2-0^2)
a=√2000^2-1500^2 =1322
敵国の兵士減:678 残り1322
自国の兵士減:1500
例えば…
自国1500人敵国2000人で勝つには?
2000^2-a^2=E(1500^2-1^2)として
E=2000^2/(1500^2-1)=1.77以上武器性能差があれば
1人生き残って敵国に勝てるという計算になります。
ゲームなんかで言うとWarcraftなどのRTSゲームで、
遠距離キャラ同士の戦いになると武器性能差よりも人数が多いほうが有利になりますね。
逆に言うと弱者は面と向かって総力戦(第二法則)で戦ってはいけません。
強者の戦略
強者は第二法則で戦っていけば圧倒的に勝ち進めることになります。
- 広域の総合戦
- 1人が多数を攻撃できる確率戦
- 遠隔的に攻撃できる戦い
- 大量の兵力と物量による総合戦
弱者の戦略
弱者は第一法則で局地戦で戦うしかありません。
- 敵が戦力を総動員できない局地戦
- 遠隔から攻撃を受けない局地戦
- 数で押されない一騎打ち戦
- 限られた兵力を集中させる
- 敵の裏をかく陽動戦
忘れてはいけないのが、敵と味方の兵力数は消耗や補給で刻一刻変化している。
常に優位に立とう兵器も改良され続ける。
そして、生産力は防衛力に左右される。生産力は補給力に影響し、戦闘力を左右する。
生産力が落ちると戦闘力に影響する。
強者は総合力で戦う。
弱者は局地戦で戦う。
いずれにおいても、敵の状況をしっかり把握する情報収集はとても大事!
攻めるだけでなく防衛力も考える。
戦略と戦術
直接の戦闘だけでなく、補給や物資の運搬、兵器の改良などを含めたものを
戦略力といいます。
戦略力=間接的な戦闘力
戦術力=直接的な戦闘力
戦いではこの戦略力が重要で、この割合の配分は、
戦略が2/3 戦術が1/3の2:1が望ましいといわれています。
ビジネスでいう
戦略とは、目に見えない領域のもので、経営資源をどのように使い、
組織をどのように運用していくかを長期的かつ総合的に計画したシナリオを作成する。
長期的に打ち立てるもので、一度打ち立てたら簡単に変更すべきではない。
簡単に変更してしまうようだと組織の意思統一は困難になります。
そして、美しいだけではなく、敵の裏をかいたり奇襲で混乱させたりと
綺麗ごとだけではなく実行することが大事です。
戦術は戦略を達成するために実際に兵士を動かす実行方法になります。
つまり目に見える行動や方法のことを示します。
戦略2:戦術1の配分が望ましい。
直接的な戦闘よりも間接的な戦略が大事!
戦略は一度立てたら簡単に変更しない。
目標達成のために泥臭く実行する。
市場占有率
3つの目標値がある。
73.9%(上限目標)独占状態
ただし無敵ではないので油断してはいけない。
26.1%(下限目標)不安定な状態
シェア1位でも不安定な状態でシェア争いの中にある。
とりあえず強者の仲間とみなす。
41.7%(相対的安定値)安全圏内の状態
一つの分野で2社の一騎打ちで戦っている場合
1社が73.9%以上となった場合、もう一社は26.1%以下となり、
敗退することとなる。
3:1以上(75%:25%)差をつければ逆転困難となるといわれており、
ほぼ近い値となる。
3社以上がシェア争いをする場合は、
業界1位が√3:1以上の差をつければ逆転困難となるといわれており
63%以上のシェアがあれば逆転困難となる。
ビジネスにおいては、安泰ということはなく、
2位以下に爆発的なヒット商品が出たり、
1位が致命的なミスを犯せばシェアの逆転はありうる。
シェアトップでも品質管理・製品開発・販売戦力の手を緩めない。
2位以下は、チャンスを狙ってシェアトップを目指す。
市場の状態を示す4パターン
分散型
いずれも26.1%以下で吐出して大きなシェアがない状態。
最も効率的なのは吸収や合併を行うこと。
二大寡占型
1位と2位の占有率を足すと73.9%を超える状態。
相対的寡占型
2位と3位を足すと1位を上回り、1~3位まで足すと73.9%を超える状態。
絶対的寡占型
2位と3位を足しても1位に追いつかない状態で1位が41.7%を超えている状態。
どの市場状況でも26.1%以上を目指すのが大事
感想
今回第1章まで読みましたが、
左にマンガ、右に解説が書いてあって、非常に読みやすいです。
この先にも
- 弱者でも勝てる戦略
- 情報戦で勝つための戦略
- 差を詰める時間管理
- インターネット時代のランチェスター戦略
など、気になる情報が目白押しです。
現代の状況に置き換えて説明があるのでランチェスター戦略を学ぶのに( ・∀・)イイ!!
気になった方はぜひ読んでみてください。
ビジネスやゲームに色々応用できるところがあって率直に面白いです。